ドライブ ラバープロテクション交換編  メンテ作業実戦に戻る
下記記載の交換はマイボートですが、最近では釣友艇(ヤンマードライブ艇)の交換もしています。自身の記憶のためにも詳細に記録していきます。釣友艇は係留艇なのでかなり海生生物に汚されています。陸置き艇では4年に1度、係留艇は2年に一度の交換が望ましいと思います。特に係留艇では毎回チルトの上げ下ろしをするため、ラバープロテクションに付いた貝等の付着により早く穴があくことが考えられます。 
 簡単に汚れを落とし作業を進めていきます。アッパードライブケースを外す手順は
1.ドライブ側のギヤオイルとエンジンルーム内の中間軸内のギヤオイルを抜く。
1.古いラバープロテクションの前後のバンドを緩々に緩める。
1.クラッチケーブルの後端にあるネジ部の割ピンを外すのと、手前の外被を留めているプラスねじを外す。
1.アッパーケース底の四方に付いているボルト4本を六角レンチで外す。
1.ドライブ上部と本体を繋いでいる丸いコマのボルト2本を六角レンチで外し、ドライブをフリーの状態にする
1.アッパーケースを写真の通り@で引き抜きAで上に持ち上げ抜く(下記注意)。
1.ラバープロテクションゴムとバンド2個の交換。
1.オーリング大小の2個交換する。
1.アッパーケースを元に組み上げる。
1.アッパーケース底のボルト4本・丸いコマの2本・クラッチケーブルを元に戻し組み上げる。
1.新品ギヤオイル内外2種を規定値になるまで入れる。
1.必要に応じてアノード(亜鉛)を交換する。
 
1.ドライブ側のギヤオイルとエンジンルーム内の中間軸内のギヤオイルを抜く 

写真では今回ギヤオイルの白濁が確認されました(のぞき窓からも確認していたが)。あとからわかるのだが上部の中間軸部内のオイルは正常(飴色)だったので、ペラ奥のシームが破損していると考えられます。今回はペラが外れなかったので確認は断念です(前回業者による組み上げでかなり硬く、工具もソケットレンチはなくメガネレンチしかなかったので、ナット部が舐めて滑り手に負えなかった)。
 
1.古いラバープロテクションの前後のバンドを緩々に緩める

手前のバンドは簡単ですが、奥のは下から長いマイナスドライバーで少しずつ回し緩めた。
 
1.クラッチケーブルの後端にあるネジ部の割ピンを外すのと、手前の外被を留めているプラスねじを外す
1.アッパーケース底の四方に付いているボルト4本を六角レンチで外す

クラッチケーブル先端の穴が空いて差し込まれている割ピンをプライヤーを使い外し、手前の外被の留めているU字クランプ金具のネジを外す
 
  
1.ドライブ上部と本体を繋いでいる丸いコマのボルト2本を六角レンチで外し、ドライブをフリーの状態にする

右写真の六角穴ボルト左右2本を抜き、その後ドライブ本体と艇体本体を繋いでいる丸い筒状のコマを手前に引き抜き取り出すとフリーになる。
 
1.アッパーケースを写真の通り@で引き抜きAで上に持ち上げ抜く(下記注意)。 

ここからが最大の難関です。アッパーケースがなかなか抜けないのです。アッパーケース部をゴムハンマーで左右コンコンと叩き緩めます。次にアッパーケースとミドルケースとの隙間にマイナスドライバーでコンコンと少しずつ叩き込み、上下の隙間を広げます。両サイドおこない、隙間が広がれば徐々に分厚いマイナスドライバーで追加でさらに隙間を広げます。

次に図のように手前に引き、奥のギヤが外れたなら、次は上に引き上げます。おそらく一人なら力が無いと無理だと思いますので二人でするか、あるいは上部からロープ等で下に落ちないように固定してからすれば時間がかかっても楽です。
 
1.ラバープロテクションゴムとバンド2個の交換
1.オーリング大小の2個交換する

オーリングは暑いところなら伸びてかなり大きくなります。しばらく金属のドライブ溝の上に置くか、ビニールに入れて水等に浸すかして冷やさないと難しいです。左写真では大小2個ともやや大きくなっているのがわかります。
プロテクションゴムは確認したところ傷は発見されませんでした。この艇では前回のゴム装着後2年経過です。ミドルケースの中に10cmほどの縦に溝が入ったジョイント棒があり抜けますが、なかなかガッチリと填まっており、外すのは難しいですが、ミドルに填まっているならそのままで、アッパーに付いてきたなら外してミドルに差し込んでおきます。つまり下部左の写真の通りジョイント棒は左写真のようにミドルに填めておきます。
 
左写真は外されたアッパーケース部で、底部のギヤの動力を伝達する縦の溝があるボルトが見えています。左の黒い円筒形の筒はエンジンの中間軸と繋がっており、中間軸オイルで満たされ、外部のドライブのオイルとは違うオイルが使われます。また元に組み上げ時挿入するときは、筒の中にあるベアリング(見えていない)の向きを真っ直ぐにしないとなかなか入りませんので注意が必要です。

ボルト類はすべて耐水グリス(ヤマハ製)でネジ部を塗布し綺麗な布の上に保管しておきます。 
 
1.アッパーケースを元に組み上げる

ここもなかなか難しくコツが必要です。ラバープロテクションのゴムブーツを新品と交換してから、ゴムブーツの奥から填めてから手前も填めて、アッパーケースをゴムの奥のギヤ部と押しながら連結させますが、その後オーリング2個が正規の位置から動かないことを確かめながら、アッパーケースを上から押し込みますが、そのままではジョイント棒の位置次第で入らないのです。もう一人がペラを少し左右に動かしながらでないとカチッと入りません。理由は縦の溝が合わないと無理なので、ペラを動かすことで噛み合わせられるようにします。 
 
1.アッパーケース底のボルト4本・丸いコマの2本・クラッチケーブルを元に戻し組み上げる。
1.新品ギヤオイル内外二箇所を規定値になるまで入れる。
1.必要に応じてアノード(亜鉛)を交換する。 

右写真はエンジンルーム内の中間軸ドライブオイルの注入状況です。外のドライブ本体のオイルとは違う(種類は同じ)箇所です。
左写真は下から見た交換したプロテクションブーツです。その下にチルトのシリンダーの外にあるアノードを新品に交換しています。
またクラッチケーブルはクラッチレバーとドライブ本体のレバー(ワイヤーと繋がっている部分)をニュートラルにした状態で、正しい位置で組み上げなければなりません。ペラはニュートラルの位置で左右に手で回り、前進と後進では片一方が動かず、その逆は軽く回るのが普通です。左右はその艇のペラの回転方向で違ってきますが、ヤンマーは後ろから見れば前進時左(反時計回り)回転です。ペラが後ろから見て左回転なら右回転で締まるという理屈なので、ペラを外す場合は中央の軸を留めているボルトを外し大きなペラナットを左に回して緩めます。
 
最後に:
私も自艇含め数回交換していますが、頻繁にするわけでもなくなかなか難儀することの方が多いのも事実です。そのためにも記録をここに残しています。参考にして下さい。
難しい大きな要因はやはりガッチリとアッパーケースが填まっており、力ずくだけでは外れないし入らないのです。そのためには少しのコツも必要です。

右写真にはアッパーケースの底にある4本中のボルトのうち3本が見えていますし、ドライブ本体側のクラッチレバー(クラッチワイヤーに繋がっている後端)も見えています。 
 



ヤンマードライブ(SZ-111-IT)には。アッパーケース(内部=入力軸箱と繋がっている)とロアーケース(下部)内部の2箇所にそれぞれ中のギアを保護するギヤオイル(80W-90)が注入されています。またドライブ自体を左右と上下する為ユニバーサルジョイントで繋がっています。ユニバーサルジョイントは「ラバープロテクション」というゴム製の蛇腹で覆われ、中にオイルが充填されています。ゴム製品の為定期的な交換が必要となります。また浸け置き艇では貝や蛎殻等により早く傷みますので年に1度程度は必要です。メーカー推奨は2年毎または1000Hとなっていますが、陸置き艇では4年程度は大丈夫だと思います。私のも4年経過しましたので交換することにしました。
注意:あくまでも素人による解説ですので誤りがあっても責任は取れません。自己責任でお願いします。
交換前のラバープロテクションです。幸いキズや穴は空いていない様子ですが、念のため交換となります。ただし新品と手で触って比較すると硬化しているのがわかります。
ギヤオイルを2箇所から抜きます。一箇所はドライブ下部からともう一箇所はエンジンルーム内の入力軸箱からです。ここまではいつもの交換と同じ手順で簡単です。ドライブは真ん中にチルトダウンした状態で始めます。
 次にクラッチケーブルのRピンを外します。私のは特別にオリジナルのドライブの向きがわかるように旗を立てていますので、アッパーケース横のボルトも外します。  
次にドライブのギヤケーブルを外し、アッパーカバー(ケースの上部に付いている)とアッパーケースを外します。アッパーカバーは外さなくても良いみたいですが、一人での作業の為手際よくなるそうです。それぞれ六角穴のボルトを六角レンチで回しますが、塩噛みしているのかかなり固いですがやっと外れました。
どちらの写真もアッパーケースを上に外しトランサム側へ押しだし、接続部が見えている状態です。中にギヤの軸が見えています。軸の上部にはベアリングが付いており、ケース内のくぼみにはまっているだけです。軸の下部のベベルギヤ(斜めのギヤ)が見えており、こことラバープロテクション手前のベベルギヤと組み合わされます。あとでマリーナのメカニックから聞くとこのギヤと軸の部分は外へ出さずにアッパーケース内から出さずに下部ミドルケースと切り離した方が次の作業手順がやりやすいそうです。
上記軸とベベルギヤ一体物で、右はその下部に差し込むミドルケースに繋がる軸受けです。上述した通りこの部分は本来アッパーケースから出さずに手で押さえながらラバープロテクションの交換をした方が良いみたいです。結局この軸を出したため交換後入り難いため、アッパーカバーをばらす羽目になりました。
ここには2種類のOリングゴムがはめ込まれており、そのゴムも交換します。Oリングゴムは10個セットでしか販売していません。直径は100ミリと30ミリです。このゴムはコクピットの環境の暑い場所に置かれていたせいか、はめると一回り大きく合っているのかな?、と思いながらしばらくすると冷えて来たせいかピッタリとはまりました。やはり気温で伸び縮みするみたいです。
こちらはラバープロテクションの奥側(つまりトランサム側)の部分で、奥のエンジン内にある入力軸箱と繋がって出ている軸です。左写真はその軸と繋がる(はめ込むだけ)ユニバーサルジョイント部です。ここのユニバーサルジョイントの向きが変わるので上下左右にドライブの向きが変われます。はめ込むときに曲がっていたらはめにくいので棒状の物で向きを真っ直ぐにしておきます。
上記左のユニバーサルジョイントの反対側の写真でこの筒状の物がアッパーケース内に収まります。
 新旧のラバープロテクションとOリングゴムです。どちらも右が新品です。なおプロテクションのステンレス製バンドも交換します。右端の写真を見るとわかると思いますが、弾力が減ったため古い方の方が背が高く硬化しているのがわかると思います。手で触って全然柔らかさの感触が違います。
 右がアッパーカバーを外したアッパーケース内を上から見た所です。上記ベベルギヤが付いている軸の上部ベアリングが見えています。左はアッパーカバー内でこのくぼみにベアリングが挿入されます。なおこのアッパーカバーとケースにもOリングゴム100ミリ径(上述の物と同じ)がはまっており、これも交換します。なおOリングゴムはきっちりはめ込まないとダメで、また傷つけるとオイル漏れが発生するので組み上げ後オイルを入れ、試験運転中にオイル漏れが無いかを確認する必要があります。プロでもたまにオイル漏れがあるそうです。左写真はアッパーケースについているステアリングロッドアームを奥まで押し込んで撮影した物です。  
ラバープロテクションと留めバンドをはめ元のように締め込んだ新しい状態です。なお留めバンドの手前は締める際難なくスペースがあるのでできるのですが、奥側のは2種類方法があります。以前の物はどのようにしても外れなかったですが、ふとひらめいてチルトを少し上げ、下からドライバーを差し込むスペースを作れば可能とわかりました。2つ目はねじ込む位置をずらし短いラチケットレンチで上の隙間へ入れ少しづつ回転させるとできました。
組み上げの際ボルトは今後塩噛みする恐れがありますので耐水グリスを塗ってから留めると良いと思います。
右がすべて組み上げた写真で、このあと二箇所からオイルを規定量入れると終了です。その後試運転でオイル漏れが無いかを確認します。

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