2ステーションシステム
2ステーションシステムとは
コクピット(運転席)内にあるリモートコントロール(クラッチとアクセル)と油圧ステアリングはデッキにないため(特に屋根のある)そのままでは非常に釣りにくい場所にあります。通常のクルージングのみでは必要ありませんが、釣行中はスパンカーを立て風上に進路をとり釣り糸が真っ直ぐになるようにスピードをコントロールをする必要があります。運転者自身も釣るためには糸を垂れその角度を見ながら操舵しないとうまくいきません。そのため、クルージング用とは別にデッキ上に釣行用の第二のステーション(リモートコントロールと油圧ステアリング)を増設する必要があります。以下その詳細です。
初めに
私は以前のFRP艇(ヤマハF15)ではリモコンとステアリング(ワイヤー式)の経験があるものの油圧ステアリングの設置は経験ありませんでした。他船では2ステーションらしき物があるのは知っていましたが、その名前すら知りませんでした。ネットで検索をしてやっとその仕組みを2ステーションを言うのを知りました。しかしその増設法の詳しいことはあまりなく手探りの状態で進めました。

以前のヤマハF−15
キット購入リモコン(クラッチとアクセル)について
リモコンの方はシングルレバーでしたが、会員さんから「シングルは少し重い」と言うのと2ステーションにするならツインレバーが良いと説明され、また自分も以前はツインレバーを使っており非常に良かったので2組購入しました。購入はヤフーから探したマリンHというお店で色々とメールをして質問購入しました。商品はKBツインリモコンを2組・アタッチメント(ミリ使用)2個・ニュートラルスイッチ・増設用ワイヤー2本でした。上記リモコン関連の購入費用は約46、000円です。

最初に付いていたシングルリモコン
リモコン接続の仕組み
リモコンボックスには2本のワイヤーが付いています。1本はクラッチで前進・ニュートラル・後進の切り替えです。もう1本はアクセル用です。スロットルを引けば全開、戻せばアイドリング状態になります。リモコンボックスには中に4箇所ケーブルをつなぐ箇所があります。レバーは2本ですので、必ず反対の動作(押せば片一方は引かれる)が含まれます。運転席メインの方ではクラッチとアクセルのワイヤーの方向(引っ張るまたは押す)を考えて接続します。そしてその反対側にも増設用サブへと繋がるワイヤーを取り付けます。メインで繋いだ方とは反対の方へ繋げます。こうすることでメインのレバーとサブのレバーは連動されまったく同じように同じ方向に動きます。またそれぞれは微調整用のネジがありますので、それも同じように調節します。

新設したコクピット内ツインレバー
ニュートラルスイッチ
ニュートラルスイッチはリモコンボックス内にレバーの位置(物理的なニュートラル)を検知してそれを電気式のスイッチとして連動させ、ニュートラルの位置でないとエンジン始動できない仕組みをとるスイッチのことです。販売店から指摘され購入しましたが、以前の船では問題視されませんでした。とりあえず購入して取り付けました。ただ当然のことながらエンジン始動の方でこのシステム(電気的なスイッチが入っている時でないと始動できない)がないと役に立ちませんが・・。古いエンジンにはないかもしれません。しかしセルモーターのオンオフをリレーを使って接続するだけです。

増設した2つ目のツインレバー
メインリモコンボックス配線
赤色は従来からあるワイヤーで、青色は下の説明にあるサブへと繋がっている。
右写真の上側の赤色はスロットルワイヤーでレバーを上に上げることでワイヤーを引っ張りアクセル全開になる。その反対側(対角線)に付いている青いワイヤーは赤を引っ張れば押される。
右写真下側はクラッチでレバーを上に上げれば赤いワイヤーは引っ張られ前進となり、その対角線にある青いワイヤーは押される。逆にレバーを下げれば赤いワイヤーは押され後進となり、その対角線にある青いワイヤーは引っ張られる。青いワイヤーは以下に続く。
クラッチ側(下)の2本のワイヤーの中央にあるのがニュートラルスイッチ(これがないと検査に通らないそうです)で、ニュートラルの位置にあると、電気的なスイッチが入りリレーを経てセルモーターが回る仕掛けです。ニュートラル以外ではスイッチが入らずセルモーターは動きません。
サブリモコンボックス配線
上の写真のスロットルレバーでは上に上げれば赤いワイヤーが引っ張られ青いワイヤーが押される。その青いワイヤーはサブのリモコンボックスにて下側のスロットルにて押され、レバーが上がる(アクセル全開となる)。
またクラッチでは上のメインボックスではレバーを上に上げると前進へと入り赤いワイヤーが引っ張られ、連動している青いワイヤーは押される。そのまま右写真のサブボックスでは青いワイヤーが押され、レバーは上に押し上げられる。後進はその逆である。
油圧ステアリング接続の仕組み
ステアリングの仕組みはエンジンの向き(左右)を変えるためエンジンに付いているバー状の物を押したり引いたりする事により実現できます。ワイヤー式はハンドルを右に回すと外皮の中のワイヤーが出てその結果バーを押し出しエンジン(船外機またはドライブに付いているプロペラ)を後ろから見て右に変化させてます。油圧ステアリングも理屈は同じで、ハンドルを右に回せばハンドル中央にあるボックス内のヘルムポンプが作動して右に付いているホース内のオイルを押し出します。そのホースはエンジンを左右に動かすバーと連動されシリンダー内にあるオイルによりバーを押し出します。反対に左に回すと左にあるホース内のオイルが動きバーを引っ込めます。

購入はモース製で追加キット(シリンダーなし)で約92、000円でした。シリンダー付きの通常のセットでも同じ値段であるので、ある程度の知識があればヤフー等で最低限度の費用で安く購入できるかと思います。

増設前のシリンダーと接続されているホース
油圧ステアリング設置作業の注意点
注意点は2つあります。一つはヘルムポンプとホース、その先へと繋がっているシリンダーとの接続には特殊なアダプター金具があります。それらの接続部のオイル漏れがないかと、狭いホース内に溜まっている空気を取り除く作業です。

増設後のシリンダーとホース
作業1
シリンダーを見て左右にある接続用の穴を確認します。私の場合は増設前はホースが繋がっている箇所と空気穴を出す箇所それぞれのアダプター計4個がある事です。それと穴の大きさ(というか接続用アダプターのネジ径)が何かが必要で2分または3分あるみたいです。私のは2分でした。写真を送り店にて確認してもらいました。増設用のアダプター金具(ホース接続箇所と空気を抜く箇所あり)2個をそれぞれ以前の空気抜きアダプター金具を取り外し(オイルが少し漏れるが気にせず)取り付けします。新しい空気穴には空気を逃がす棒状の物が付いていたので、そこへ透明(写真ではピンク色)の耐圧ホースを付けました。その先はオイルを受けるペットボトルみたないな物にホースの先を突っ込んでおきます。

増設後のヘルムポンプとハンドル
作業2
次に付属の耐圧油ホースをガンネル内スペース這わせて配線取り付けします。それを増設したハンドル付きヘルムポンプの後方のジョイント金具へとそれぞれ留めます。
作業3
次に最後の工程であるオイルの注入です。私はシリンダーに繋がっているジョイント金具の位置が下にある古いポンプの方のオイル注入(先ほど少し漏れているので)ですが、むしろ空気抜きの作業といった方が当てはまるかも知れません。右(どちらが先でも構わない)のホース先端にある空気抜きのバルブを緩めて、古いヘルムポンプの穴からオイルを入れ右に回します。最初少し入ってから空気穴からオイルと空気が一緒に出てきますが、その内オイルのみ(ブクブク鳴らなくなったら)になったら空気バルブを締めます。次に反対側の左も同じようにしてオイル注入口の蓋も閉めます(オイルは満タンに)
作業3
次は新しく設置したヘルムポンプよりオイルを注入します。オイルが入らなくなったら右の空気穴を緩めさらにハンドルを回しながらオイルを注入します。最初出るのは空気のみですがその内に空気とオイルが混ざって出て、次に上記作業3と同じオイルのみ(ブクブク鳴らなくなったら)になったら注入をやめ右の空気穴を締めます。同じように左も作業をします。全てが終わればポンプの蓋を締めます。その後実際にステアリングを回し操舵を試してみます。

増設用ヘルムポンプ

元々からあったヘルムポンプ=オイル注入口が小さく苦労した
注意点
  • オイルは前回の分が古ければ新しいのに交換した方がよいがその場合は追加のオイルも必要。通常のボートではポンプ1セット1つ分で2リットルあればOK。2つ分で4リットル。
  • ヘルムポンプのオイル注入にはできるだけ大容量が流入できるホース等があれば便利で、しかもできれば注入穴に密閉できるギリギリの太さがあればベスト
  • そうしてもポンプの下にはオイルがこぼれるので大きめの受け皿が必要。拭き取るウエスも必要。
  • 私は何回もやり直したので結局は一人でもできるようになったが最初は二人(できれば三人がベスト)でした方が無難。
  • ヘルムポンプの中にはある程度オイルは溜まるが先の細い箇所には途中空気が入らないようにと常に満杯にしておくことが必要。
苦労した点:
  • 古い方のヘルムポンプの注入口は小さいので注入ホースの先端に切り込みを入れテープで巻いて細くして無理矢理突っ込んだが知らずのうちに空気が入っておりいくら空気抜きをやっても抜けなかった。次に細いホースを上からポタポタ落とすようにポンプ内が常に満タンになるようにゆっくりと入れハンドルを回したがこれも最後まで空気が抜けなかった(新しい方のポンプの注入口は大きかったためあまり苦労はしなかった)。
  • 結局水道用のプラスチック製のジョイント(外径に制限があるため管状の物を挿す場合内径を確保するため厚みの薄い物にする必要があるため、ホースでは無理であり、厚みの薄いピッタシの径(かテーパー状の物を加工する必要があったため)を見つけ、ドリルで内径を広げ(肉厚をより薄くするためでありプラスチックは加工しやすいし安価)軽くねじ切り(ダイス加工)をして差し込み(それでもオイルはこぼれる)ました。注入のオイルは加工した先端にゴムホースを付けその上にジョーゴを吊すといった荒技を使いました(片手でハンドルを回し片手でオイルを注入しなければならないのでジョーゴを保持できない)。また古いオイル注入口は12ミリ径の1.25ピッチという特殊なネジでした。
  • 注入時の空気抜きは透明ホースの先端をペットボトルに入れ、遠くから空気の泡とオイル量を目視しながら何度も空気栓を締めてはストップし、ペットボトルのオイルをまたジョーゴに注ぐというのをやり成功しました。
  • 最初こぼしたオイルの処理や量の不足等苦労話はたくさんありました。